「絵日記クラブ」



 2017/03/05 ハレルヤ




今日くらいには、初鳴きしやがりますかね? ウグイス。啓蟄らしいですし。
あのひとたちは、どこからか来るということもなく、どこかに去ってしまうということもありません。ずっと、そこら辺にいるわけなんです。新春には、ジャッ、ジャッと雀の間違えたような声で鳴いていました。今朝がた、「ホケキョ」を聞いたので、楽しみです。まだ練習中です。想像ですが、気温か日照時間か、なにかのシグナルによって声帯がはれるんだと思います。それで、突然声変わりするんですよ。恐らく、ですが。
喉がよくはれてきて、「ホーホケキョ」と上手に歌えるようになる瞬間が、いいんです。
(オッ! ええで、ええで。ええなあ。わし、いけるで)
という本人の感動が声に乗って伝わってくるんですね。嬉しいですよね。

なんだか庭で飼っていた鶏のことを思い出しました。あのひとたちは、ヒエラルキー凄いんです。身分制社会。一時、面白がって名前を付けていました。ロンとかヤスとかですね。昔の話ですから。
「ヤスが勝ったで。政権交代やな」
「なんでヤスがロンと政権替われるんや。おかしいやろ」
などというのが茶の間の話題でした。それで、三番手くらいまではいいのですが、それ以下のひとになるとハグレになります。社会から追放されるんですね。ただ、かれらにも領土意識はあって、屋敷は広いもんですから、どこかに潜んでいるわけです。領土からは出ていきません。ハグレには、元々はご領主様だった落ちぶれ貴族もいましたが、大体は弱いひとが多かったものです。
私は、「社会」が他へ移動すると、秘かにハグレにエサをやったものでした。そういうひとが好きなんですね。呼ぶと来るんですよ? 鶏は人間の言うことがわかります。家畜ですから、ヒト化するんです。ところで悲しいことにハグレ、そこで雄叫びをあげるわけです。習性なんですね。鶏の雄叫びは、主に「オレここおんねんどー」という宣言ですが、「ややっ!ここにエサがあるでえ」という意味でも使います。当然、なんやなんや、どないしたんや、なんかあったんかという感じで、「社会」が駆けつけてくるわけです。で、「社会」に追い払われるのです。(あーもう、アホやなあ。なんでそんなとこで虚勢張るねや)と私は顔をしかめたものでした。
そんなハグレにも、性欲はありました。それは仕方がないのです。いきものなんですから。ただ、おんなのこ達は、ハグレにやられるのを嫌がりました。やめてえな、あんたなんか嫌いやねんで、という態度が如実に見てとれました。まず、逃げますね。悲しいことでしたが、動物の世界は力が全てです。そんなわけで、ハグレは後ろから忍び寄って飛びかかるのが常でした。大抵は失敗するんですがね。普通、ロンとかヤス相手だと同意のもとにしっぽをピッと曲げて協力するんですが、ハグレにはスカートたくし上げたりしませんでした。ところが、それでも、一度無理こやりこを見たことがありました。おんなのこはやられた後にブルッと身震いしますんで、それとわかるのです。シビレまいた、という程の快感が走ったようすが、人間にさえ窺い知れるわけです。
(ハグレが性交に成功した? ラブリーやんけ)
驚天動地の事態に目を見張ったものでした。人生、なにがあるやらわからんで。